もともとイールドとは、ヒトが胎内で一つの細胞から胎児へと発達していく段階、
あるいは、ヒト以外の細胞でも試験管内で培養する際、最初にイールドという動きがあるといわれています。
これを細胞生物学では、「足場依存性」と呼ばれる基本性質です。
細胞が生存、増殖するにはまず足場に委ねる(=イールド)必要があり、それから周囲に広がる動きがあって成長することができます。
イールド、それは人間をはじめとする生命にとって、とても重要で基本的な動きと言えるでしょう。
人の動きの基本には、押す、伸ばす、といった動きがあり、そして立つ、座る、歩くなどといった動作がありますが、
たとえば「立つ」を例にとると、足裏がしっかりと地面について(委ねて=イールド)いる必要があります。
足場に委ねることができて初めて、上に向かって身体を「伸ばす」ことができ、立っているのです。
身体を休めている「寝る」時でも、生命を維持するだけでなく、疲れや傷んだところを回復させようと身体の中では
活発に動いているところがあります。
寝ている時は布団やマットに対して「イールド」することで、身体の回復に必要な細胞、組織の動きを促進することが
考えられます。
この技法は、東京でロルファーとして活動され、Rolf Instituteのインストラクターでもある田畑さんが、
1999年のRolf movement認定トレーニングにおいて、恩師であるCarol AgneessensとRebecca Carliから
イールド(委ねて落ち着く)を紹介され、それを10年以上かけて探求し、ワークとして発展させたものです。
現在では、ロルフィングが生まれたアメリカ、Rolf Instituteのインストラクターやロルファーにも
イールドワークに共感する人たちが増え、Rolf movement認定のワークショップも開催されるようになりました。
このことからも、イールドワークは信頼性の高い技法であることが伺えます。
私もこのワークに共感する一人で、上記の認定ワークショップを通じてイールドワークを学び、
ロルフィングのセッションに取り入れるようになりました。
優れた技法はこの他にもいろいろありますが、現在はこのイールドワークをベースに、
私が学んだ他の技法も取り入れながら、ロルフィングの10シリーズ、単発セッションを行い、
自分のセッションを成長、発展させていこうと活動を続けております。
参考:ロルファー田畑さんのHP(イールドについてさらに知りたい方は、こちらへ)